目の網膜にある黄斑という視野の中心部に異常が現れる病気です。視野の中心が歪んで見えるのが特徴で、失明原因の4位にあげられるほど患者数が増えています。
欧米人に多い疾患と言われていましたが、日本でも近年かかる人が増えています。加齢黄斑変性は、網膜の中心にある「黄斑」という部位に、老化が原因となって異常をきたす疾患です。米国では65歳以上の失明原因の第1位で、大切な老後の視力を脅かす疾患として知られています。日本でも近年、高齢化と食生活の欧米化に伴い、患者さんの数が大きく増加しています。
加齢黄斑変性には、萎縮型と滲出型の2種類があります。
黄斑の組織が、年をとるにつれて萎縮してくるもので、定期検診で経過を観察する必要があります。現時点では治療法が見つかっておらず、病状が進行すれば失明の危険性もありますので、注意が必要です。
黄斑にたまった老廃物が影響して、黄斑下の脈絡膜から新生血管という脆い血管が生え、血液の漏出や出血によって黄斑の視機能にダメージを与えます。進行が早いこともあり、新生血管の広がりや漏れ出る成分によって、早い時期から歪み、視野の中央が欠けるなどの症状まで進み、視力を失うケースもあります。
明らかな危険因子は喫煙です。やめればリスクは低くなるので禁煙をしましょう。その他にも、紫外線、肥満、高血圧症、脂質異常症、偏った食生活など、いくつか危険因子と想定されるものはありますが、喫煙ほど決定的な確証はまだありません。
処方する薬は特にないため、生活指導を行って経過観察をします。加齢黄斑変性にはルテインが有効なので、サプリメントで補うように指導をしています。
最近の研究で血管内皮増殖因子阻害剤を注射することで黄斑変性症が改善することがわかってきました。滲出型加齢黄斑変性で、進行が早く、視力が1.0以下の方には、この注射による治療が有効となります。当院ではその注射は行ってはいませんが、患者さんとご相談の上、適した紹介先を考えていきますので、病院の希望などがございましたら、ご気軽にご相談ください。
水平の線、垂直の線が、「波打って見える」「歪んで見える」「見えないところがある」「かすんでみえる」などの見え方があれば、加齢黄斑変性の可能性がありますので、直ちに当院へご相談ください。
目は年齢とともに見え方に変化が生じることがあります。
加齢性の目の疾患は、老眼に症状が似ていることもあります。老眼だと自己診断する前に、定期健診で一度、目の状態を確認しましょう。
ドライアイとは、目を保護する涙液の不足や質の低下により、目の表面が乾いてしまう症状です。目が乾くと表面に傷がつきやすくなり、そこから細菌に感染して炎症を起こしやすくなります。
ドライアイは、目を保護する涙液が不足し、目の表面が乾いてしまう症状です。最近では、涙の量が少ないだけでなく、ねばねば感が足りないといった質の低下も、ドライアイと呼ぶようになりました。涙の量が不足することにより、目の表面に傷がつきやすくなって傷から菌が入り込み、炎症を起こすこともあります。
などが、ドライアイの原因と考えられています。
年齢を重ねる毎に、涙を感知するレセプターの感度が落ちていきます。これが、加齢により涙が減少する理由の一つです。また、目はまばたきをするたびに、涙を供給するシステムになっています。モニターに集中したりしてまばたきの回数が減ると、涙の量も少なくなります。
涙液層破壊時間検査とは、目の表面を覆っている涙が、どれくらいの時間で乾燥し始めるかを調べる検査です。フルオレセインという色素を点眼して涙を染め、細隙灯顕微鏡でブルーライトを用いて目の表面を観察します。まばたきを止め、まっすぐ正面を見ていると、表面が乾き色素が消える部分(隙間)が出現します。それまでの時間をBUT(ブレイクアップタイム)といい、5秒以下ならドライアイの可能性が高いと診断します。
今までは、涙の量が少ないことをドライアイと呼んでいましたが、最近では、涙のねばねば感が足りない状態も、ドライアイと呼ぶようになりました。涙は出ていても、涙としての機能を果たしていない人もいるので、検査でしっかりと自分の状況を把握する必要があります。
当院では、人工涙液やヒアルロン酸配合、ムチン配合の点眼薬で涙を補い、症状を改善していきます。また、点眼だけでなく、部屋の湿度を上げたり、意識的にまばたきを増やしたりして涙の量を増加させることでも、改善が見込めます。
人工涙液を点眼しても、一向に症状が改善されない場合には、涙点プラグという手術法があります。患者さんとご相談の上、適した紹介先を考えていきますので、病院の希望などございましたらお気軽におっしゃってください。
最近では、涙が少ないだけでなく、涙の質が低下しているドライアイも増えています。ドライアイは、点眼薬で水分だけを補えば改善するものではなく、目や目以外の大きな病気が隠れている可能性もありますので、まずは眼科で自分の症状を把握することが重要です。眼科を受診せず市販の目薬を使用すると、涙の成分や分泌量が逆に減ったり、防腐剤によって角膜の表面が傷んだりと、症状を悪化させてしまう可能性もあります。
ものもらいで来院される患者さんには麦粒腫(狭義のものもらい)のことと、霰粒腫のことがあります。霰粒腫は瞼にある汗や脂を出す腺に細菌が感染して起こる炎症のことです。数日で皮下に膿が現れる場合もありますが、虫刺されやかぶれの場合もありますので、何か目に異常があった場合には、早めに当院を受診ください。
また、ものもらいは、ストレスや疲れ、免疫力が下がった場合に炎症が起こる場合がありますので、食生活や生活習慣にも気をつける必要があります。
ものもらいの治療は、主に抗菌点眼薬や抗菌軟膏を使用します。点眼治療を行うことで、1週間以内に80%以上の人が改善するといわれていますのでご安心ください。霰粒腫は、他の人にうつる病気ではありませんが、汚れた手で患部を触ると再発したり治りが悪くなったりする場合がありますので、不用意に患部を触らないようにしてください。
☆コンタクトレンズ使用時は、定期検査が必要です。角膜に直接のせる医療機器ですので、必ず眼科医の指示に従って使用しましょう。☆コンタクトレンズ使用者は、目のトラブルでレンズを装用できない場合に備えて、メガネとの併用が必要です。
当院ではコンタクトレンズの紹介を行っています。ソフトレンズに関してはお試しのレンズがありますので、装着や使用感などに不安がある方は、一度試してみてはいかがでしょうか。
きちんとしたメーカーの商品を使用することが重要です。カラーコンタクトレンズの貸し借りなどは絶対にやめ、何か目に異常がある場合には、すぐに眼科医に相談してください。
当院でご紹介しているコンタクトレンズとなります。
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目のことでお悩みでしたら、八幡山駅にある川原眼科医院に、まずはご相談ください。